ミュージカル「ドン・ジュアン」を観て☆
ミュージカルが好きです。
以前『あるべき姿のために戦うこと』
という記事で、ミュージカル「ラ・マンチャの男」をご紹介しました。
こちらはもともとブロードウェイで
上演された作品で、映画にもなっていて
DVDを持っているので時々鑑賞しています。
毎度感動するんですよ。
今日は久しぶりに下記↓のDVD を
引っ張り出して観ていました。
この作品、もともとは
モリエールの戯曲をもとに作られた
ミュージカル「ドン・ジュアン(ドン・ファン)」を
宝塚歌劇団で上映したバージョンで、
何故か時々無性に観たくなります。
内容はまぁ単純で
女遊びを繰り返して放蕩の限りを尽くした男が
決闘で殺した相手から呪いをかけられ
真実の愛に目覚めて死ぬ
というお話です。
見どころは
・主演の望海風斗さんの暑苦しく圧倒的な歌唱力
・1幕のクズっぷりと、2幕の真実の愛を
知ったあとの子どものような純粋性と
初めて知った嫉妬に苦しむ心情とを作り分ける暑苦しく繊細な演技力
・全編を通して出てくる
タップダンスのようなフラメンコの
足技であるサパティアードの見事さ
・ドン・ジュアンに呪いをかけ、
真実の愛に導く騎士団長の亡霊の作りこみの見事さ
などなど。
全編を通して「愛」について描かれているのですが、
結局のところ、
愛をどのように描いているかというと
今ひとつよくわからない。
賛否両論ある作品だと思うんです。
でも何故か気になって
時々引っ張り出してきて観てしまう。
私がこの作品のどこに惹かれるかというと
そこに描かれている「愚かさ」と
「救い」かなと思うわけです。
何によって救われるのか
何をもって救いというのか
「救い」は「赦し」と言い換えることもできるでしょう。
そもそもこの作品に、
「救い」或いは「赦し」というテーマを見出すかどうか
そこが人によって評価が分かれるポイントかなと思います。
愛のために死ぬとか言ってるけど
自業自得でしょ。とか思う人もいるでしょうし。
中身のないつまらない話だと思う人もいるのかも。
私はこの作品の冒頭で歌われる歌詞の中の
『憎んでいないと言えば噓になる。
だがそれ以上に愛してもいた。
天使のようなまなざしで魅惑する悪魔のような男。
ドン・ジュアンわが友よ・・・』
というくだりが好きで、
この歌を聞きたいがために
つい観てしまうといっても過言ではないかも。
子どもの頃から
人間ってよくわからない。
感情ってよくわからない。という思いがあって
それが心理学とか精神分析とかを学ぶきっかけになったし、
人と向き合う仕事についたのも、
目の前の人ひとりひとりの物語を知りたい
という思いが根底にあったからだと思う。
アンビバレントな心情というものに心惹かれます。